ELSA GALUDA G5-NMの超絶なCPUとGPUに唸る

ELSA GALUDA G5-NMの超絶なCPUとGPUに唸る

ELSA GALUDA G5-NMシリーズ(以下G5-NM)はエルザ ジャパンのオンラインストアで取り扱っているゲーミングノートPCだ。「ゲーミングノートPCって、とにかく速いCPUとGPUを積んでいればいいから選ぶの簡単だね!」

……って、あなたは思うかもしれない。しかし、そう単純な話でないのがゲーミングノートPCの難しいところであって同時に興味深いところだったりする。

0115.6型ディスプレイゲーミングノートPCこそ「絶妙なトレードオフ」必須!

強力なCPUとGPUを載せればそれで済む、といかないのは、いくらゲーミングノートPCといえどボディサイズの制約を受けてしまうからだ。

それゆえに、搭載するGPUもCPUも「適切」なものを選ぶ必要がある。ただ単に「最強」を選べば済むというわけではない。

それに加えて、G5-NMが採用するディスプレイサイズが15.6型であることも、実は意味深だったりする。「ゲームなんて大画面でプレイしたほうが細部まで見やすくなるから、どうせ選ぶなら17.3型でしょう」とあなたは言うかもしれない。

しかし! ディスプレイサイズが本体サイズに直結するノートPCの場合、17.3型ディスプレイを搭載すると本体サイズもそれに比例して大きくなって、PCを設置する部屋の状況によっては“とんでもない”ことに陥ることも少なくない(え?だって、みんなの部屋にはPC以外にもこんなものやあんなもので溢れかえっているでしょ。わたしがそうだから)

ゲーミングPCとしての処理能力とPCを使う空間の生活可能性を両立するためには、15.6型ディスプレイ搭載ゲーミングPCというのは現実的な最適解となる。

  • 天面はゲーミングノートPCにありがちな目立つデザインではなくシックなブラック。
    GPUコンピューティングマシンとして使いたいエンジニアにもお勧めしたい
    (クリックすると画像が拡大します。)
  • とはいえ、ゲーミングマシンとしての“色気“も忘れてはいない。
    キーボードでアニメーションパターンにも対応したフルカラーLEDイルミネーションを設定可能だ
    (クリックすると画像が拡大します。)

以上のことから、現実的に使い勝手のいい15.6型ディスプレイ搭載ゲーミングPCでは、そのボディサイズの制約と、それに起因するボディ内部の熱許容量の制約から搭載できるCPUとGPUを慎重に見極める必要に迫られる。できるだけゲームにおける処理能力が高く、それでいて発熱量は抑えられるモデルが最適だ。

G5-NMは、搭載するCPUとGPUの組み合わせが異なる2つのモデルを用意している。1つは「GALUDA G5-NM 15G47M」で、CPUが「Core i7-13700H」でGPUが「GeForce RTX 4070 Laptop」を採用する。もう1つは「G5-NM 15G45M」でCPUが「Core i7-13620H」でGPUが「GeForce RTX 4050 Laptop」を採用する。

02“HX”じゃなくて“H”を載せた“賢明”なる理由とは

第13世代Coreプロセッサーシリーズで最上位モデルとされているのは“HX”シリーズだ。Core i7クラスのプロセッサーナンバーとしては「13850HX」「13700HX」「13650HX」をそろえている。G5-NMで採用するCPUと同等のプロセッサーナンバーで主な仕様を比べると次のようになる。

主な仕様 i7-13700HX i7-13700H i7-13650HX i7-13620H
Performance-coresの数 8 6 6 6
Efficient-coresの数 8 8 8 4
スレッド数 24 20 20 16
Performance-core
最大ターボ・フリークエンシー
5.00GHz 5.00GHz 4.90GHz 4.90GHz
Intel Smart Cache 30MB 24MB 24MB 24MB
プロセッサーのベースパワー 55W 45W 55W 45W
最大ターボパワー 157W 115W 157W 115W

ゲーミングパフォーマンスに大きく影響するPerformance-coreの最大ターボ時における動作クロックにおいてHXシリーズもHシリーズも仕様は共通する。その一方で発熱に影響するTDPはベースパワーにおいて10W、最大ターボパワー発揮時においては実に42WもHシリーズは抑えることができる。

処理能力と消費電力の関係はGPUでも同様だ。GeForce RTX 40 Laptopシリーズにおける上位モデルは「GeForce RTX 4090 Laptop」「GeForce RTX 4080 Laptop GPU」だが、G5-NMで搭載する「GeForce RTX 4070 Laptop」「GeForce RTX 4050 Laptop」とTDPを比較すると次のようになる。

GPU GeForce RTX
4090 Laptop
GeForce RTX
4080 Laptop
GeForce RTX
4070 Laptop
GeForce RTX
4050 Laptop
NVIDIA CUDA 9728基 7424基 4608基 2560基
ブースト クロック 1455~2040MHz 1350~2280MHz 1230~2175MHz 1605~2370MHz
GPUサブシステム電力 80~150W 60~150W 35~115W 35~115 W

同じくボディ内部の温度に大きく影響するTDPにおいて上位2モデル最大で150Wとなるのに対して、G5-NMで採用したGPUはピーク時でも115Wに収まる。これは、内部の温度上昇の抑制に大きく貢献する。

CoreプロセッサーにしてもGeForce RTX 40にしても、自身の温度をセンサーで測定して高温になった状態では動作を安定させるため動作クロックを落として処理能力と引き換えに発熱を抑えるようになっている。そのことを考えるとき、スペックとしては上位モデルと比べて控えめに見えても、内部温度を考慮した実質的な処理能力の維持という視点では、G5-NMのシステム構成はすこぶる堅実で妥当ということができる。

CPUとGPUに加えて、システムメモリの選択にも注目したい。第13世代Coreプロセッサーに統合されたメモリコントローラーはDDR5に対応している。しかし、現在市場に登場しているゲーミングノートPCではDDR4を採用しているモデルが多い。その中でG5-NMは15G47Mにしても15G45MにしてもシステムメモリとしてDDR5-4800MHzを採用しており、これは意外と処理能力を押し上げてくれる。

また、最近ではプライベートなLAN Partyだけでなく公式なゲームイベントなどでも自前のPCを持ち込む機会は増えているが、イベント直前に不具合が発生して動作が不安定になるなど急きょシステムを新調しなければならないとき、G5-NMは即納モデルを用意しているので、最速なら当日出荷にも対応できる(最悪でも翌日出荷なら確実)のも強みといえるだろう。

03ならばベンチマークテストで証明しよう

以上のように「ゲーミングノートPCとして熟考に熟考を重ねたシステム構成」を採用したといえるG5-NMだが、では、そのゲーミングPCとしての実力はどうなのか? ここで、主要ゲームタイトルで測定したベンチマークテストスコアを紹介しよう。今回ベンチマークテストを実施したゲームタイトルは「CyberPunk 2077」「Call of Duty: Modern Warfare II」「F1 22」「FarCry 6」「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー ディフィニティブエディション」だ。設定解像度はG5-NM搭載ディスプレイの1920×1080ドット。いずれのゲームでもプリセットの品質設定を用いて用意されている最も低いレベルから最も高いレベルまで変更して、そのそれぞれのスコアを紹介している。

なお、今回の評価作業ではCore i7-13620Hを搭載するG5-NM 15G45Mで測定を実施した。

評価機材のGPUがミドルハイエンドのGeForce RTX 4050 Laptopということで、最高画質設定になるとスコアが下がってくるものの、それでも、さすが第13世代Core i7“H”シリーズ&GeForce RTX 40シリーズの組み合わせということで、いずれのスコアも快適なプレイの必須レベルとなるFPS 60台を維持している(唯一F1 22の兆候超高設定で60台をわずかに切っているが)。中レベルもしくは標準レベルの画質ならば平均FPSは100台を超えてかなり快適なプレイが可能となる域に達する。

ゲーミングノートPCもいわゆるトレードオフを考慮する必要があるが、G5-NMはそういう意味で超絶なトレードオフによるゲーミングパフォーマンスを実現した「違いの分かるパワーゲーマー」にこそ支持されるモデルに仕上がっているといえるだろう。